伊賀先生の外来診療・兵庫医大での学生教育を見学する機会得た。最も印象に残ったのは学生への診察の講義である。

中でも「頸静脈波の見方」は私自身にとっても大変勉強になった。恥ずかしながら、この診察はいつになっても得意になれず、初期研修医に教えろといわれてもなかなか自信のない分野であった。これまで、米国での研修も含めていろいろな先生に頸静脈の診察を教わり、技術を盗もうと努めてきたが、伊賀先生の指導が最もわかり易かった。復習の意味で、帰ってからさっそく伊賀先生のケアネットライブラリーの中にある循環器の診察の項目を読むと、頭への入り方が速い。もともと内容も系統立ってよくまとまっているが、やはり筆者に会った後に読むと頭への入り方が違う。

伊賀先生の講義は少々辛口ではあったが、限られた時間の中で学生の目を開かせるには、それくらいの方が効果的なのかもしれない。一般的に言われている診察の感度・特異度だけでなく、ご自身の診察のそれまでスパッと言い切れる先生の言葉には説得力があった。同時に、プロとしての医師の姿勢、その裏打としてのこれまでの多大な経験と努力を感じた。

まだまだ研修の身である私にとって、臨床の達人に出会うことは大きな喜びである。ましてやその先生に学ぶ機会があるとなおさらだ。そのたびごとに気持ちが初心にもどり、引き締まる。伊賀先生との出会いもその例外ではなかった。

お忙しい中、その機会を作ってくださった伊賀先生にあらためて感謝したい。

 

私から;最後に学生さんに混じることの重要性(自分の大学にから外にでること)と、英語の必要性をはなしていただいた。兵庫医大の学生さんがいろいろな学外の研修会に参加することを期待したい。